Netflixで「どれから見ればいいのかしら?」と迷ったときの処方箋

もう既に各所で「Netflixなら○○がオススメ!」というのを見かけまくって、ウンザリしておられる方も、きっと多いことでしょうが(自分もわざわざそんなものは見ないし)、とはいえ、普段の会話で、比較的ストリーミングサービスに馴染みのない方から、「ヘイ、ユーはどんなの見てるんだい?」と聞かれることも少なくなく、憚りながらも自分のフェイバリットをレコメンドさせていただく機会が度々あるので、それならばもういっそまとめちゃいえばよかろう、と今回のまとめのような記事を書かせていただく次第でございます。「もう、そんなビギナー向けのナメたのはごめんだね」という方には既視感バリバリの見慣れまくったものになっていると思うので、他のブログ同様に筆者の自己満足的なモノと思っていただいて、サクッと読み飛ばしてもらえれば幸いです。

(尚、日々様々な良作が生まれているNetflixさんでございますから、随時更新していく予定です。あと、『ファーゴ』『ブルックリン99』『アメリカン・ホラー・ストーリー』など、見ていただきたいものはあるのですが、今記事ではオリジナルコンテンツ限定とさせていただきます)

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悪魔城ドラキュラ』もグラフィックが堪んないですよ

ドラマ篇

『私立探偵ダーク・ジェントリー』

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騙されたと思って、S1の3話くらいまで試しに見てください。で、騙された、と思ったら、そこでやめていただいて、なんだか気になるぞ、と思えば、そのままラストまで突っ走るのみです。多分後者なら、間違いなくその時点で、あなたはこの作品の虜となっていることでしょう。原題に『全体論的探偵事務所 』とあるように、一つの手がかりからどんどん追っていく、などという従来の探偵像はここになく、「すべての出来事は繋がっている」と、行き当たりばったりなのかなんだかよくわからない感じで、主人公ダークに振り回されるばかりの、我々視聴者とイライジャ・ウッド。終始一貫して、ダークがウザいです。でも、なんだか憎めない。というか、出てくる登場人物みんな愉快でかわいげのある。なんて思ってたら、あれよあれよと、これまでの不可思議な現象が一本の線に集約されて、とんでもないとこに着地する、なんともジャンル分け不可能な作品でございます。

 

『このサイテーな世界の終わり』

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サイコパスの少年と、人生のすべてを変えたい少女が思いついたロードトリップ。けど、その道程は、思った以上に山あり谷ありで…。漫画が原作のブラックコメディ」という、公式の紹介文丸々抜き出した紹介文だけでも、説明十分なくらいなんですけど、これがもう個人的にはピカイチの大当たりで、近いうちにでも記事にまとめたいと思っております。20分が8話なんで、ちょっと時間的な物足りなさを感じなくもないですが、久しぶりにグッと来たロードムービーでございました。浅はかで、愚かで、短絡的な、若さあふれる青春ものという、筆者の大好物なのです…………ただのフェチなんですが。アレックス・ロウザーの虚無感が良いです。顔の良い男子に虚無を見出したいんですよ。

 

『ザ・クラウン』

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薄い感想ですが、まあお金かかってますよね。お金かかってる上に、1話1話が重たすぎる。うっかり流し見なんてできないので、困ったものです。とてつもなく濃厚な人間ドラマでございます。正直こちらはビンジウォッチングには不向きなので、週一ペースで大河ドラマを見るくらいの気持ちで臨んでいただけたら、よいのではと。結構赤裸々で「こんなことやってもいいの?」という感じの描写が多々ありますが、91歳のエリザベス女王もお気に召されているようで、英国の芸能への懐の深さを感じます。マーガレット王女にヴァネッサ・カービーというキャスティングが見事すぎますよね。

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映画篇

『マッドバウンド』

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こちらも近いうちにまとめたいです。「傑作」と呼んでも差し支えないです。黒人差別を描いた作品は数あれど、こんな表現手法は見たことがありませんでした。ミシシッピの泥臭い農園を舞台に、白人の無意識の差別を描きながら、同時に黒人による黒人の立場も炙りだす、という何とも身も蓋もない現実がそこにはあり、叶わぬ友情に泣きました。メアリー・J.ブライジの好演も必見です。

 

『この世に私の居場所なんてない』

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『ダーク・ジェントリー』に続き、イライジャ・ウッドくん出演です。いるだけでも、安心感があります。ダメ人間が似合う。迂闊な人々が引き起こす、トンデモ珍事はまるで『ファーゴ』のようです。小さな犯罪から、現実の世界のひずみを浮かび上がらせる手口なんかはまさしく。タイトルがドン臭い感じで嫌厭されそうですが、見逃し厳禁の一作となっております。90分程度の尺で、タイトに引き締まった脚本が魅力的で、クライマックスで見せるあの神がかり的なテンポの良さは芸術の域。

 

『スペクトル』     

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ガジェットがめちゃくちゃカッコいいし(SFとしてはまず大事)、幽霊の新解釈にも感心しきりでした。オリジナル作品で、このクオリティを維持できるって、恐ろしい時代ですよ。ちゃんとこちらの予想を覆すようなプロットも面白いし、物語運びそのものはアッサリしているので好感が持てました。

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ドキュメンタリー篇

実は、Netflixで一番見てほしいのは、ドキュメンタリーだったりするのですが、ちょっと手を出しにくいジャンルだな、という方もいらっしゃるはずなので、ピックアップしてお送りします。これ以外も、どれも高水準のもので、これからますますドキュメンタリー作品のプラットフォームとしても、市場を広げていくのでは、という充実っぷりです。

 

『イカロス』

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薬物検査の有効性を実証するべく、自らドーピングしてロードレースに参加するという計画から、自体が思わぬ方向へと動いていき、国家ぐるみのドープング不正を暴いていく、というドキュメンタリー。関わったのがWADAのラボの所長だったせいで、事態が全く様相を変え「偶然撮れてしまったヤバい映像」感が孕んでいくこのドキュメンタリーの醍醐味には、ゾクゾクしました。太陽に手を伸ばしすぎたあまり、偽りのロウの翼が溶けて落ちるワケですね。いやあ、ホント大変だったと思いますよ。スタッフめっちゃ怖かっただろうな、という緊張感が走る怒涛の後半、見ているこちらがビビってしまいます。この作品を見てしまうと、プーチンをネタになんかできなくなりますからね。

 

『ホットガールズ・ウォンテッド』

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アメリカのポルノ業界の悲惨さを赤裸々に綴ったドキュメンタリー。AV女優の裏側に迫った内容が主なのだが、そこで繰り広げられる虚無な日々が切ないやら。お金も稼げて、セックスで有名になれて、なんて甘い話あるワケはなく、なんとも苦しい現実。当たり前のように消費されて、捨てられる悲惨さ。『~オンライン・ラヴ』という後続シリーズも面白いので、そちらも。

 

『シェフのテーブル』

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この手のドキュメンタリー、芸術の方に走りすぎて、食がおろそかになっているような感じがして、苦手な人もいると思うのですが、 このシリーズはちゃんと「食べること」の大切さを教えてくれたりします。シーズン3の韓国の尼僧、チョン・クワンさんのエピソードがとても、生き方としてビューティフルでした。悟りの感覚、学びたいものです。あと同シーズンの3話目もオススメ。

 

と、まあまだまだ取り上げたいヤツがあるのですが、あくまで〈初級編〉的な位置付けなので、あまり深掘りするのは野暮ですし、各々が気に入ったものを見つければいいと思います。ビバ、ストリーミング引きこもりライフ!